ひるさがりのなぞめぐり |
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その日は炎天下をひたすら歩き回っていた。県境にある川
を延々と行ったり来たりだ。ああ冷たい牛乳が飲みたい。
でも今牛乳なんて飲んだら、きっと戻しちゃうだろうなと
か、ろくでもないこと考えながら、だんだんそんなことも
考えられなくなってきて、まったく頭が働かなくなった。
働かなくなった頭を補うように、なにかべつのスイッチが
入った。
スイッチが入って見る世界は全てが美しい。
そんな時に目の前に見えている人は、絶対天使だと思う。
人間のふりしてるだけなのか忘れてるだけなのか。
なんでもいいや。
現金化なんとかかんとかっていうチラシを手にした子供が
走ってくる。何ならお金になる?ってしつこく聞くものだ
から、歌でも歌えと教えてあげた。
賛美歌のように美しい歌。仕方がないから百円をあげた。
百円かよと文句を言いながら子供は帰って行った。
僕は涙がとまらなくて、それをなめてくれた猫の姿を追い
かけていたら知らない場所に来てしまった。
もう帰れないところまで。
猫は気づけば恋人の姿になっていたけど、この世界の奇妙
さには、もう慣れた。そんなこともあるだろう。
つまり本当は天使なんだか人間なのだかどうぶつなんだか
分からないけども、それを愛してるということに気づいた
時には、もうとっくに目が覚めて、世界はふつうに動いて
いたんだ。
また探しにいくよ。
投稿者 49zchq | 返信 (0) | トラックバック (0)